クルージングダイアリー  きらきら丸のブログ

アクセスカウンタ

zoom RSS 気の毒なJR北海道

<<   作成日時 : 2016/12/05 10:52   >>

ナイス ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

画像


 昨12月4日、北海道留萌線終点の増毛駅で大騒ぎのお別れがあったそうだ。平生は見向きもしないのに、廃線や運行が廃止と決まるとその日だけ集まって、淋しいとか惜しむとか、その場限りの騒ぎが鉄道ファンによって繰り返される。私は、北海道をクルージングする度に、留萌か増毛に立ち寄り留萌ー増毛間にも乗車したが、写真はこれまでの増毛駅の姿だ。

JR北海道は最初から黒字になり得なかった。


 むしろ、廃線があまりにも遅すぎた、というのが実情だ。留萌線だけではない。私的な印象からいえば、JR北海道で維持できるのは小樽ー札幌ー苫小牧。函館ー札幌、札幌ー旭川の3本だけではないか。JR北海道では、保線の手抜きや事故後の検証漏れなど昨今不祥事が続き、その都度、マスメディアで厳しく批判にさらされてきた。しかし、それは、そうでもしなければ経費節減すらできない窮状にJR北海道が追い込まれていたからだ。 元々、JR北海道は民営分割されたのが、“赤字の巣窟”を切り離し捨てて、JR東やJR東海を優良企業化するための捨て子施策だった。立ちゆかなくなるのは時間の問題だった。だから北海道の道路整備の進捗に合わせて、主要都市間交通は10数年前から長距離バス主体に移行を終えている。次はJR四国、そしてJR九州も安閑としていられないだろう。

黒字になる新線開設などなかった

画像

 北海道鉄道の始まりは、有名な小樽・手宮から札幌を経て幌内炭鉱まで結ぶ、石炭の積み出し鉄道から始まった。1880年(明治10年)、明治政府誕生からわずか10年後のことだ。つまり、北海道開発の炭鉱鉄道から始まり、稚内までの宗谷本線(1922年、大正11)や根室本線(1921年、大正10)など、かなり早い時期に全線を開通させたのは、樺太との交通、千島との交通という国策が絡んでいたからだろう。その後は森林開発(木材輸送路線)など、到底黒字になりえない新線が戦後まで限りなく続けられ、揚げ句の果てのささいな一コマが増毛廃止だ。貧乏くじを強制されたのがJR北海道であり、自主独立など最初からあり得なかった。写真は、最初の蒸気機関車弁慶号。手宮の元鉄道博物館で。

JR北海道は北海道全体の縮図だ

画像

 JR北海道の惨状は、鉄道だけの問題でなく、北海道全体の経済の、生活の、社会の縮図である。北海道の“海の幸”は、TVのグルメや産地訪問番組で毎度人気だが、実は、北海道漁業は1989年(平成1)を限りに、過去27年間漁獲量の減少が加速度的に進んでいる。つまり、北海道漁業は衰退産業の典型例なのである。大半の人はそれを知らないから、“今年は”なぜか鮭とサンマが不漁・・・などと一過性の言説として聞かされている。
 水産庁は黙り込んでいるけれど、衰退の27年間に「漁業振興」という掛け声で行われてきたのが、漁港整備、つまり港湾土木工事という公共事業の継続だ。増毛は漁港町だが、なぜ増毛が衰退したかといえば漁業がどんどん衰えているからに他ならない。しかし、その増毛でも漁港拡張が続いている。写真は増毛の新しい岸壁に係船中。
 TPPはトランプ旋風で泡と消えるかもしれないが、TPPが実行されれば北海道の酪農と農業は壊滅的打撃を受けただろう。TPPがなくても、いまじわじわ衰退を続けている。

明日の日本は北海道を見ればわかる

 北海道の地場産業は農漁業中心で、他にめぼしいものがない。しかし、札幌だけは人口200万の大都会で繁栄を続ける。北海道産業の中心は、明治の開拓使時代以来、一貫して公共事業なのだ。つまり、東京(霞ヶ関)から流される大量の金の分配を巡る東京の出先機関による繁栄である。東京からの金の内、北海道地場に流れるのはせいぜい30%程度と言われ、残りはいろいろな形で東京に還流するそうだ。漁業振興も農業振興も、だから3割公共事業(多くは土建工事)になり明日の成長の芽が育たない。育ったのはムネオハウスなど、そのおこぼれ利権受益者たちだ。札幌と全道の関係は、東京と日本全土の関係とそっくり相似形をなしている。日本全体では種々雑多な要素が増えて見えにくいが、実は、北海道こそ日本の縮図だと思う。北海道がどのように衰退し、荒廃していくかを見れば明日の日本の姿が見えてくると、私は考えている。(2016.12月)

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
気の毒なJR北海道 クルージングダイアリー  きらきら丸のブログ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる